今日はフェルミ推定で頭をこねくりまわしてみましょう。
さてさて。
その前に、そもそもフェルミ推定とはなんぞや、ということをご説明。
物理学者のエンリコ・フェルミが名前の由来となっている一種の統計方法で、
瞬間的には回答が不可能と思われる数値を、仮定や推定を用いて導き出そうという考え方です。
具体的に言うとこんな感じ。
「シカゴには何人のピアノの調律師がいるか?」
「砂浜にある砂の粒はいくつか?」
「日本にある電信柱の数はいくつか?」
どうでしょうか?
実際数えてみるか、答えをすでに知っている以外は、なかなか困ってしまいますね。
このとき重要なのは、回答を導くにはどういったデータが必要なのかを決定することですね。
ピアノの調律師の話なら、そもそもシカゴにはどれくらいのピアノが存在するのか、とか。
近似値回答を出すことが目的というより、そこに至るプロセスがいかに論理にかなっているかがカギ。
ビジネスで言うところの、問題解決のためのロジックや提案力につながる考え方です。
実際、入社試験としてこういった問題を課す企業もあります。MSとかコンサルティング会社とか。
んで、今回チャレンジするはこのお題
「9時5分に9時を指している時計は、世界で何個あるか?」
知るか!!って感じですね (=゚ω゚)ノ
これは今日のニッパウさんのところで出されていたお題です。
前回の記事に newsing の中の人であるところの tsuji さんから、「コンテストにしてみたら?」っていうコメントを貰ったのでとりあえず1回コンテストにしてみます。
いろんな考え方を見てみたいな~と思っての言及でしたが、こう書かれては参加せざるをえません!
えーい、図ったな、ニッパウさん! (逆恨み (・∀・)どっちみちやる気でしたけどね
そんなわけで回答。
僕としては、フェルミ推定は一種の「因数分解」だと考えています。
答えを導くために最も適するであろう因子を推測し計算する、みたいな。
今回であれば、「世界に時計はいくつあるのか」、「そのうち5分遅れている時計の割合」の
2つの数字が出せれば掛け算で計算ができます。
最終的な解=(世界の時計の数)×(5分遅れている時計の割合)
しかし、いきなりこの2つを推察するのは無理。別々にもう少し「因数分解」していきましょう。
【世界の時計の数】
■世界の人口:約60億人・・・このうち何人が腕時計を持っているか?
■世界の建物:約?棟・・・壁時計、置き時計の数は?
■他の要素:街中の時計は?携帯電話はカウントするの?日時計・水時計?
こんなもんかな。とりあえず携帯電話はあくまで電話なので計算しねえー。
腕時計は、10代~の人はほぼ持っていると考える。平均寿命を70歳くらいで計算し、
「6分の7」の人は持っていると仮定し、「約51億個」という数値を算出します。
(腕時計持ってないだろ、という地域の人数分と、複数持っている人数分を相殺)
あと、壁時計・置き時計・街中の時計は、はっきり言って想像が厳しいので別角度から行きましょう。
僕の1日の生活の中で目にするそれらの時計は、家・会社・通勤途中すべて含め約10個あります。
このうち、他の人間も目にしているであろうもの、つまりかぶりですが、これが約7個です。
そして1日に同じ空間で時間を過ごす人間が平均50名ほどいる、と。
よって、世界の人口も同じ割合と仮定し、こんな感じで推察。
「3×60億」・・・かぶりなし
「7×60億÷50」・・・かぶりあり
合計は188億ほどになりますが、生活圏の狭い僕のスタイルを考慮し、ざっと200億にしましょう。
計算しやすいし(・∀・)
というわけで、世界の時計の数をおおよそ「250億個」と仮定!
【5分遅れている時計の割合】
■5分遅れている理由は?・・・わざと?自然な狂い?
■遅れている以外の可能性は?…9時で止まっている場合
ちなみに僕の時計は、いつも5分進んでいます。遅刻とかしないようにそうしてるわけですが、
同じ理由で針を進めている人はたまに見ます。まあ馴れると意味ないんですけどね、あれ。
しかし5分遅らせている人とうのは、いまだ聞いたことはありません。
殺人事件のアリバイトリックでやる以外の理由が思いつきません。
よって、わざと遅らせている時計は、あったとしてもほぼ少数、無視できる値とします。
あと、11時間55分進んでいる時計という可能性もありますが、
まあこれもものの数には入らないでしょう。てことで無視!
9時で止まっている可能性は正直あるかと思いますが、先に算出した全時計数と比較すると、
あまりに小さい数値なので、これも揺らぎ程度と考え計算からは外します。
となると、自然な5分遅れの時計の割合を算出すればよさそうです。
現在の時計はほとんどがクォーツ時計で、狂いは余り生じません。
電波時計にいたっては、定期的に時刻を修正しますので、もっと狂いが少ないでしょう。
クォーツ時計の精度は、1日に1秒ずれるかどうかの程度。
まずこの誤差を出してみましょう。すると「0.0000046」という数値になります。
この数値が遅れる方向にずれる可能性が「50%」で、「0.0000023」。
おおよそ1分遅れ、2分遅れ、3分遅れ、4分遅れ、5分遅れなどに5分割されると見て、
「0.0000023」の「20%」で、「0.00000046」が5分遅れの時計の割合と考えてみます。
5分以上の遅れは修正されるだろうと考えて、また無視します。
【で、結論】
最終的な解=(世界の時計の数)×(5分遅れている時計の割合)
上記、最初に定義しておいた数式に、予測した数値をあてはめます。
最終的な解=(250億)×(0.00000046)=11,500
というわけで。
9時5分に9時を指している時計は、世界に『11,500』個ある
てな答えが出たんですが、正直どうなんでしょうねえ。。。
まあ最初にも言ったとおり、重要なのは答えがあっているかよりも論理です。
特にコンサルティングがお仕事の僕にとっては、フェルミ推定はいい訓練になります。
そもそも「フェルミのパラドックス」というのもあって、そちらのエントリーを書こうとしてたくらいですし。
ええ、パラドックス好きな人間なので。
そんなわけで。
5分遅れの時計をみかけた方は、世界に「11,500」個ある内の1つなんだと思えばいいさー。