なんかここ2日ほど「ブラックホール」とか「実験」での流入が多いなあと思ったら、
去年の実験日からちょうど1年経つのですね。
■ 【9月10日】ブラックホール生成実験はノストラダムスに予言されていた?
結局、去年の実験ではヘリウム漏れが発覚して大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の運転がストップしてしまいました。
さて
せっかくなので久しぶりにこの話題について書いてみましょう。
■ ブラックホール生成実験
ブラックホールの生成実験(正確には実験の副産物)が騒がれる原因のひとつは、そのまま地球が飲み込まれちゃうくらい大きくなったらどうすんの?っていう心配からです。実際に実験の差し止め訴訟とかも起きるくらい。
対し、科学者さんたち曰く、生成されたブラックホールはホーキング放射で蒸発しちゃうので大丈夫、と言うわけです。
で、本題。
このホーキング放射とはなんぞや?ってことを。
まず、その名から推察できるとおり、ホーキング博士によって主張された現象であるわけです。
この現象を説明する為には、ざっくりと次の2つの内容について理解する必要があります。
(1) 事象の地平線
事象の地平線とは「ここより中心に近づいたら光さえもブラックホールに吸い込まれちゃうよ」という距離にある面のこと。
ブラックホールの中心点から一定距離のエリアに引かれる、一種の限界線みたいなもんですね。
中心から事象の地平線までの距離、半径Rはシュワルツシルト半径と呼ばれます。
基本、「ブラックホールのぎりぎりライン」でOKです (笑
(2) 粒子の対生成、対消滅
さてさて2つ目。これは、まず事実として理解するしかありませんが、何もない空間、例えば真空などでも、絶えず新しい粒子(と半粒子)がセットで生成され、また衝突してお互いに消滅してしまうという現象が起こっています。
例えば電子と陽電子が対生成し、衝突後、消滅するなどです。
ここでは、「何もない空間でも、粒子が対で生成され、対で消滅する」と覚えましょう。
この際、「対(つい)」というのがミソです。
(=゚ω゚)ノ さあ、この2つを一緒に考えましょう
対生成、対消滅は宇宙のあらゆるところで発生していますので、当然事象の地平線近くでも起こります。
では、事象の地平線のぴったりライン上で対生成が起こった場合を考えましょう。
対生成により、粒子と反粒子が生まれました。ところが、片方はブラックホールに吸い込まれ、片方はブラックホールの外側にはじき出されてしまいました。すると、困ったことが起きます。なにせ、対生成、対消滅ですから、1つずつでは消滅することができません。
ここで、外にはじき出されたほうはエネルギーを放射します。よってホーキング放射という名前がついてるわけです。
まずここまで。対生成された粒子、反粒子の片方がブラックホールに落ちて、片方は外側でエネルギーを放射する、と。
(=゚ω゚)ノ 次はエネルギー保存の法則を考えましょう
何もない空間から粒子が対生成、対消滅する場合にも、エネルギー保存則は成り立ちます。
■ ゼロ(何もない空間)=正エネルギー(粒子)+負エネルギー(反粒子)=消滅(何もない空間)
上の式で対生成、対消滅を便宜的に表してみました。
粒子を正、反粒子を負としましたが、これはわかりやすくしただけで気にせずOKです。
どの場面でもエネルギーはプラスマイナスゼロに保たれていますね。
しかし、さっきのパターン、事象の地平線の内側と外側に粒子が別れてしまった場合。
外側の粒子がエネルギーを放射することは述べました。つまり正のエネルギーを持つことに。
では内側に落ちた粒子は負のエネルギーを持つことになります。
ブラックホールは負のエネルギーを吸収したわけです。
つまり、負のエネルギー=エネルギーが減る=質量が減る、というわけです。
このホーキング放射を繰り返すことで、ブラックホールからはどんどん質量が失われ、やがて蒸発します。
小さいブラックホールほどこの現象がおきやすく、すぐ蒸発してしまうと言われます。
これが「実験は安全だよ、ブラックホールは蒸発するよ」と説明されるところの解説です。
ただ、いろんな理論があるので、鵜呑みにしないよう、あくまでこんな考えがあるよってことで。
(=゚ω゚)ノ じゃあ、やっぱり実験は安全なのね?
ええ、安全だと思いますよ、たぶん。
ホーキング放射はあくまで予測で、まだ実際に観測されてませんがね
なにせ、大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の運転再開は2009年11月の予定です。
逆にいえば、実験がうまくいけばホーキング放射が実証されることになるわけです。
(=゚ω゚)ノ 成功を約束された実験ってやつだね、そりゃ!
そう、成功した場合は歴史に記録されますが、失敗したらその事実は記録しようがないですからね。、この実験。