公式コンテンツビジネスの話に時間をかけすぎて、すっかり間が開いてしまいましたが、モバゲータウンのビジネス分析の続きです。
モバゲータウンには、大きく分けて、フラッシュを利用した手軽なミニゲームと、iアプリを利用した本格的なゲームの2つがある、とは前回ご説明したとおりですが、今回は、フラッシュゲームについてです。
今さらの話なんですが、携帯でフラッシュ、使えるんですよね。
古い機種では対応してませんが、第3世代以降の携帯電話ではどのキャリアもしっかり対応してます。
フラッシュなので、ただアニメーションを動かすだけでなく、サイトのナビゲーションやゲームなどにももちろん使えます。
最近では各キャリアのポータルや有力携帯サイトもフラッシュでナビゲーションしてる部分が多くなりました。
PCでのフラッシュバリバリのサイトは見た目ばかりで使い勝手が悪いものが多いですが、携帯に関しては話は別です。
携帯のようにコンテンツを表示できるスペースが限られたメディアでは、下手に画面をスクロールさせたりページを遷移させたりするよりは、フラッシュでうまく1画面の中に操作をまとめていったほうが使い勝手がよくなることが多いはずです。(SEO的には問題が残りますが)
携帯のフラッシュのナビゲーションは相当研究のしがいがあると思います。
さて、話がいきなり脱線しましたが、モバゲータウンのフラッシュゲームですね。
モバゲータウンが現在提供しているフラッシュゲームは34種類。
ジャンルはほとんどがアクション系のゲームで、パズル系のゲームが数種類あります。
実際にやってもらわないと伝わりづらいとは思いますが、いくつか具体的にゲームの内容を説明したいと思います。
■ガングロギャル男
ギャル男になって海で日焼けするゲームです。太陽に当たっている部分がどんどん日焼けしていくので、カラダがまんべんなく日焼けするように決定ボタンを押してギャル男を回転させます。
きれいに日焼けできるとモテ度が上がって、地元⇒湘南⇒沖縄と日焼け場所が出世していきます。
■街ゴルフ
プレイヤーは街の清掃員になって、空き缶をゴルフクラブで打ってゴミ箱にいれ、街をきれいにしていきます。風向きを見てうまくタイミングを見計らってボタンを押すのがコツ。
床屋に向かって打ち込むと窓ガラスが割れ、さらにしつこく打ち込んでると床屋のオヤジが怒ってなぜかボーナスモードに突入します。
続編の「街ゴルフ2」もあります。
■がけっぷち
雑誌「サイゾー」とコラボレーションで作成されたゲームです。どこかで見たような球団オーナーがV逸した監督の責任を追及するというのがゲームのテーマ。
ゲームでは、オーナーがガケに必死でつかまろうとする監督の手を足で踏み潰そうとするので、タイミングよく決定キーを押してこれを避けていきます。
しばらく足をよけていると、オーナーが足を踏み外してガケから転落します。そうなったら、今度はプレイヤーはオーナーになって、ガケから落ちつつ障害物の岩をよけていきます。岩にぶつかりすぎて体力がなくなったらゲームオーバーです。
シュールすぎる……。
これらのフラッシュゲームはだいたい1週間に1本くらいのペースでリリースされています。
「がけっぷち」を筆頭に、シュール・コミカルなゲームが多いです。もちろんまともなものもありますが。あえてシュール系を増やすことで、口コミ効果を狙っているんでしょうか。
特徴として、これらのゲームはすべて「決定ボタン」(『5』キー)1つしか使わない、ということが挙げられます。
プレイ時間もどれも数十秒から数分でできるもので、ちょっとした空き時間に手軽に楽しむことが出来ます。
携帯電話というのは、数分の短い空き時間にアクセスするメディアという特性を多分に持っていますから、こういうゲームのデザインの仕方は実にうまいと思います。
手軽なミニゲームだからといって、これらのフラッシュゲームが適当な作りかといえばぜんぜんそうではありません。一つ一つのゲームはどれも画面デザインもゲーム性もよく練られており、かなりレベルの高い作りになっています。
各ゲームにはランキング機能もあり、これがSNSでのコミュニケーションの促進に一役買っているというメリットもあります。
ランキングの上位になると、自分のハンドルネームとアバターが掲載されるので、自分のページへの訪問者数が増え、他のユーザーとの繋がりが広がります。
「攻略法教えて」コメントがたくさんきて辟易してしまうユーザーも多いとは思いますが。
じっくりプレイできてユーザー間の対戦もできるJavaアプリゲーム、短時間で手軽にプレイできるフラッシュゲーム、両方それえているのがモバゲータウンの強みですね。
(Javaアプリゲームはドコモだけの提供なので、auとソフトバンクではフラッシュゲームだけです。)
この2回でモバゲータウンのゲームについて解説してきましたが、無料でゲームができるというのは、やはり集客という面では極めて強力です。特に若い人たちに対しては。
無料で好きなだけやれるんだから、招待されても断る理由がありません。
自分の友人を誘うときも、「無料でゲームができるよ!」と理由付けがしやすいですし、モバゲータウンの爆発的なユーザー増加に一番貢献しているのはこれら無料のゲームであると思われます。
ゲームの追加も1週間に1本程度と、コンスタントに追加され、ユーザーが飽きてサイトの利用をやめないような工夫をしています。
今後も、携帯SNSに参入する企業はまだまだ続くと思いますが、一番マネしづらいのがここでしょうね。
ゲームを作るのは、なにせたくさんお金がかかります。自社で作るにしろ、他社に外注するにしろ、です。
さらに、お金があれば面白いゲームが作れるかといえば決してそうではなく、相当なプロデュース力と制作管理能力が求められます。
ゲーム会社でもないネット企業にはなかなか高いハードルです。
本来ネット企業であったDeNAにとってもここは高いハードルだったと思いますが、うまくクリアしました。
クリアできた理由は、豊富な資金力があったということもあるかと思いますが、いい制作会社と組めた、というのが大きいはずです。あとはそれを管理する人材の力、ですね。
そろそろモバゲータウンに追随するゲームを全面に押し出した携帯SNSが出てきてもいい頃だとは思いますが、まだそういう会社が現れないというのはこのあたりに理由があるのだと思います。
このまま10代のユーザーを掘りつくすまでは、モバゲータウンの天下が続くかもしれません。
次回は「アバター」について解説したいと思います。
モバゲータウン解説シリーズ目次
1.「モバゲータウン」という恐ろしいサイト
2.モバゲータウンってどんなサイト?
3.オンライン対戦できるJavaアプリゲーム
4.手軽にプレイできるフラッシュゲーム
5.コミュニケーションを活性化するアバター
6.モバゲータウンの収益源 - まさに現代の錬金術
7.アフィリエイト以外の収益源

