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公式コンテンツ事業者の業績低迷の理由を探る2

前回「公式コンテンツ事業者の業績低迷の理由を探る」からの続きです。

公式コンテンツ事業者の業績が悪化した理由は一つではなく、複数考えられますので、以下箇条書きで整理していきたいと思います。


■市場の拡大以上に競合サイトが増加

携帯コンテンツの市場規模は2003年度に2,133億円だったものが、2005年には3,150億円と着実に増加しています。(モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果(総務省)

一方、iモードにおいては、2003年3月末に3,000弱だった公式サイトの数は、2005年3月末には6,000件を超えるまでに増加。2006年3月時点では7,000件を超えています。EZ Webは1,877件が3,889件に増加。こちらも2倍強の伸びです。(ソフトバンクはデータが見当たらず)
この間、携帯コンテンツの市場規模は1.5倍にしか拡大していませんので、市場の拡大速度以上に公式サイト数が増え、確実に競争が厳しくなっていることがわかります。
単純計算すると、市場が1.5倍に伸びる一方、競合サイト数が2倍になっているので、期待できる売上はこれまでの75%となってしまいます。

市場が拡大する一方、公式サイトの数が大きく増え、大容量ゲームやコミックなどの新サービスが登場。携帯端末も多機能・高性能化し、パケット通信料定額制サービスの普及や勝手サイトも増加もおきました。これらにより、選択肢が大きく増え、ユーザーの興味が複数のサイトに分散するようになりました。
 具体的な数字を挙げると、例えば同期間に、iモードでは着メロ系サイト(着メロ+画像DL)のアクセス比率が、39%あったものが12%まで大きく低下しています。(市場は1.5倍にしかなっていないのに!)

 iモード単独のARPUは2190円⇒2140円で、ユーザーが携帯コンテンツ利用にかけている金額に大きな変化はないようなので、少ないパイ、拡大しないパイを多数のプレイヤーが奪い合うという構造になっています。

このように公式サイトの数が市場の拡大速度を超えて大幅に増えたことにより、2、3年前と比べ、競争が格段に熾烈になったということが言えます。
iメニューからの集客だけに頼っていては、公式サイトは生き残れない状況になりました。


■サイト運営コスト・コンテンツ制作コストの増加

携帯端末はどんどん多機能・高性能化し、キャリアが提供するサービスの範囲も拡大しています。
具体的にいうと、下記のようなことが挙げられると思います。

・液晶画面の解像度が向上
・音楽再生機能が高性能化
・ハード自体の処理能力が向上
・Webブラウザの高性能化
・iアプリやBREWなどのJavaアプリケーションの登場
・ハードディスクを搭載した機種の登場
・データの通信速度が向上
・パケット通信料定額サービスが普及

これによってなにが起きるかというと、それはサイト運営コスト・コンテンツ制作コストの増加です。

ハードとソフトが高性能化すれば表現力は増しますが、対応するサイト・コンテンツを作る費用もそれに伴って拡大していきます。

例えば、(具体的な数字は載っていないですが)ドワンゴの中期経営計画の資料(11P)には『「着うた」は「着メロ」と比較して圧倒的に原価が高い」とあります。
着うた市場が拡大したとはいえ、1ユーザーから取れる金額はだいたい同じでよりコストの高いほうにユーザーがシフトしてるわけですから、企業としては辛い限りです。

着メロに限らず、これまでは小さな画像とテキストなど最低限の機能で十分成立したサイトが、フラッシュだ動画だJavaアプリだなどと、どんどん機能と表現力を増していかないと競争から脱落する状態になっています。

集客は難しくなったのに、コストは増加。
業績が悪くならないわけがありません。


■集客コストの増加と公式コンテンツ事業者の集客ノウハウ不足

公式コンテンツ事業者は、これまでキャリアポータル頼りの集客でずっときてましたが、公式サイトが大幅に増えたことにより、キャリアポータルだけで十分な集客ができなくなりました。これは驚異的な集客力を誇っていたiメニューも例外ではありません。
これにより、キャリアポータル内での掲載順位アップのためのユニークユーザー集めのプロモーションも効果が薄くなります。

そのため、公式コンテンツ事業者は広告の利用や各種キャンペーンなど、キャリアポータル以外の集客のための手段を確保する必要が出てきますが、これは当然マーケティング費用を大きく膨らませます。

また、公式コンテンツ事業者はずっとキャリアポータルに頼った集客をしてきたため、広告の効率的な利用方法やキャンペーンのノウハウを十分に持っておらず、費用対効果を悪化させます。


公式コンテンツ事業者の全体的な業績悪化の理由としてはだいたいこんなところでしょうか。

こうやってまとめてみると、どれも意外と普通の理由でした。
集客が難しくなってコストが増えれば、必然的に業績は悪くなっていきますよね。

次回の記事では、公式コンテンツ事業が今後どうなっていくのかを予測してみたいと思います。

(第4回の記事をアップしました)
携帯公式コンテンツ市場の行方はどうなる?

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株式会社マイネット・ジャパン

プロフィール

    橋詰 大造
    (株)マイネット・ジャパン取締役
    (株)ディー・エヌ・エーで携帯ショッピングモール『ポケットビッダーズ』の運営とモバイル関連事業の立ち上げに携わる。
    2006年7月、(株)マイネット・ジャパンに立ち上げメンバーとして参画。

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