■このブログのメニュー

« 2006年10月 | メイン | 2006年12月 »

2006年11月 アーカイブ

2006年11月 2日

いつの間にかこんなにたくさんあった携帯SNS

「携帯SNSの市場は現在どうなっているのだろう?」と思って調べてみたら、プレイヤーがすでにこんなにたくさんいました……。
15分程度探しただけでこれだけ見つかったので、まだ掲載漏れ多数ありのはずです。

携帯専用のサービスもあれば、PCと携帯の併用が可能なサービスもあり、入り乱れて相当な過当競争の状態ですね。この1、2年で半分以上が淘汰されてもおかしくないです。

ざっと見た限りでも、活動量が低下して死に体状態のサービスがけっこうありますね……。すでにサービスを停止してしまったところもあるようです。

この中で確実に残りそうなのはmixi、EZ GREE、モバゲータウンの3つでしょうか。老舗のゆびとまやジョグノート、Macoron!のようにコンセプト特化型のSNSも生き残りそうです。全方位型のSNSは他のサービスとどう差別化し、上位に食い込んでいくか。

意外だったのは、CAモバイルがまだ携帯SNSを投入してないこと。携帯コンテンツでは非常に強い力を持ってる会社なんですが、出遅れでしょうか?
そろそろなにかリリースがあってもおかしくないタイミングですが。

リンク集の並び順はサービスの開始が古い順です。
サービス開始時期が不明なものは、一番最後にしています。
サービスの簡単な説明を入れようと思いましたが、たくさんありすぎるのでやめました。

リンク集は「続きを読む」からご覧ください。

【 携帯電話専用のSNS 】

ktst.jp
 開始: 2004年4月
 運営: サーチテリア株式会社

アミィ
 開始: 2005年4月
 運営: アルファーテクノロジーアンドコミュニケーションズ株式会社

Activo
 開始: 2005年6月
 運営: 株式会社シリウステクノロジーズ

モバゲータウン
 開始: 2006年2月
 運営: 株式会社ディー・エヌ・エー

ポケゾー
 開始: 2006年4月
 運営: 株式会社インフォバーン

モバピ
 開始: 2006年8月?
 運営: アミュー株式会社

ケースペ
 開始: 2006年10月
 運営: KLab株式会社

■ EZ GREE
 開始: 2006年11月予定
 運営: グリー株式会社

嘘!?
 開始:不明
 運営:大沢和宏(個人運営)


【 PCと携帯両方に対応しているSNS(携帯版がメイン) 】

Gocco
 開始: 2004年12月
 運営: Gocco 株式会社

びーぐる
 開始:2005年10月
 運営:株式会社エクスグルーブ

Any
 開始: 2006年4月
 運営: 株式会社 エニー

どこよ!
 開始:2006年6月
 運営:株式会社コミュニティ・スクエア


【 PCと携帯両方に対応しているSNS(PC版がメイン) 】

※ここでの「開始」日は、携帯に対応した日時です。

この指とまれ!
 開始: 2002年9月
 運営: 株式会社ゆびとま

mixi
 開始: 2004年9月
 運営: 株式会社ミクシィ

キヌガサ
 開始: 2004年12月
 運営: 株式会社paperboy&co.

GREE
 開始: 2005年6月
 運営: グリー株式会社

JOCOSO
 開始: 2005年10月
 運営: ネオウィズジャパン株式会社

Yahoo!Days
 開始: 2006年3月
 運営: ヤフー株式会社

Macoron!
 開始: 2006年5月
 運営: ワールド・ファミリー株式会社

nanoty
 開始: 2006年7月
 運営: 株式会社サンロフト

ジョグノート
 開始: 2006年7月
 運営: 株式会社ウイングスタイル

ここは確実にもっとたくさんあると思います。ぜんぜん調べきれてません。


【 すでにサービスを停止した携帯SNS 】

■ テレパ
 開始: 2004年8月(2006年7月31日サービス停止)
 運営: 株式会社ジークレスト

■ フレリン
 開始: 2004年10月(2006年5月31日サービス停止)
 運営: ニフティ株式会社

■ GAMOW
 開始: 2004年12月(2005年9月16日サービス停止)
 運営: 株式会社VIBE

2006年11月 3日

【モバゲータウン解説その3】オンライン対戦できるJavaアプリゲーム

これまでの2回でモバゲータウンの概要についてご説明したので、今回からはゲームやSNS、ビジネスモデルなど個別の要素について解説していきたいと思います。

まずはオンライン対戦できるJavaアプリゲームについて。

モバゲータウンには、大きく分けて、フラッシュを利用した手軽なミニゲームと、iアプリを利用した本格的なゲームの2つがあります。
さらに、iアプリゲームも、リアルタイム対戦ができるゲーム、過去のプレイデータを利用して擬似的に対戦ができるゲーム、一人プレイ用のゲームの3つの類型に分けることができます。

これらはすべて無料でプレイすることが可能です。アプリを立ち上げるときに認証を行っているため、退会するとゲームは遊べなくなります。
ゲームの追加速度は、1ヶ月に1本~2本くらいです。

Javaアプリゲームは、auとソフトバンクでは遊ぶことができません。
auはこれまで公式コンテンツプロバイダー以外はこういったアプリを提供できませんでしたが、来春からJavaアプリをオープン化するそうなので、今後はauユーザーもドコモユーザーと同じゲームがプレイできるようになるかもしれません。
ソフトバンクではJavaアプリがオープン化されてますが、ユーザーが少なくて収支が合わないからモバゲータウンでは作ってないんでしょうね……。

では、3つの類型のゲームについて、それぞれ解説していきます。


【 リアルタイム対戦型ゲーム 】

他のユーザーとチャットをしながらリアルタイムで対戦することができるゲームです。

現在のところ、リバーシ、大富豪、クイズゲーム、麻雀の4つがあります。
ゲームの画面には、自分のアバターが表示されます。

リアルタイムといっても、実際には「プレイヤー1の行動」⇒「通信」⇒「プレイヤー2の行動」という流れなので、1ゲームを終了するのにけっこう時間がかかります。麻雀とか半荘1回で電池がなくなりかねません。
現在の携帯の通信環境と速度ではこれはまあやむを得ないところでしょうか。通信の途切れやすい移動中にはちょっとプレイできないですね。

当然のことながら、リアルタイム対戦のゲームでは膨大なパケット通信が発生します。パケホーダイ未加入の場合、下手すると1プレイで1,000円を超えるようなパケ代になる可能性もありますので、未加入の人は決して手を出しませんよう……。

このゲームの問題は、対戦しながらチャットができるので、容易に出会い系やエロ話に発展することです。当然ゲームよりこれらが目的で参加してくる人も多数います。
サービス開始当初は、夜中にアクセスするとこんなゲームルームばかりでした。今はかなり厳しく運営者のパトロールが行われているはずなので、そんなにひどくはないと思いますが、それでも撲滅するのは難しいでしょう。
ゲームを途中で放棄したり、ゲームに負けて暴言を吐いて去っていく人もいたりするのも困ったものです。


【 擬似対戦型ゲーム 】

一見リアルタイム対戦をしているように見えるものの、実際には、ユーザーのプレイデータを記録してそれを他のユーザーがプレイしているときに再現することにより、擬似的にリアルタイム対戦してるように見せているゲームです。

カーレースゲーム、パズルアクションゲームの2つがあります。
もっとあるかと思って調べたら2つしかなかった。


【 一人プレイ用ゲーム 】

アクション(2)、パズル(3)、ペット育成ゲーム(1)、パチスロ(1)、RPG(2)など計9種。

無料だからRPGも安っぽい適当RPGかと思いきや、クリアするのに20時間以上かかるけっこう本格的なものです。携帯で20時間も地道にプレイするのはかなり疲れるけど……。
クイズも、昔はやった落ち物パズルや、今流行の脳力開発ゲームなどかなりクオリティが高く、金がかかってることをうかがわせます。


モバゲータウンのゲームはすべて無料でプレイすることができます。
「クオリティが高いゲームがすべて無料でプレイできる!」というのがモバゲータウンの非常に強力な売りになっています。

SNSだけだと、よく知らない人は「それってどこが面白いの?」ってことになりますが、ゲームであればだいがいの人は楽しめるわけで、お金はないけど時間はある中高生はそりゃ登録しますわな。

「ゲームで集客」⇒「SNSも使わせる」⇒「アバター買わせる」
という見事な(あざとい、ともいう)構造になっています。

実はこの構造はハンゲームとほとんど一緒です。

次回はモバゲータウンのフラッシュゲームについて解説します。


モバゲータウン解説シリーズ目次

1.「モバゲータウン」という恐ろしいサイト
2.モバゲータウンってどんなサイト?
3.オンライン対戦できるJavaアプリゲーム
4.手軽にプレイできるフラッシュゲーム
5.コミュニケーションを活性化するアバター
6.モバゲータウンの収益源 - まさに現代の錬金術
7.アフィリエイト以外の収益源

2006年11月 6日

もうすぐ会員が200万人を突破しそうなモバゲータウン

DeNAのサイトで10月の月次推移データが発表されていたので早速見てみましたが、相変わらずモバゲーの成長スピードは落ちてないですね。

mbga_kaiinsu.PNG  mbga_pv.PNG
(DeNA:月次推移のご報告(平成18年10月度)より)

今月中には確実に200万人を突破してきそうです。

もっとも、10月は9月より1日多かったにもかかわらず、PVがほとんど伸びておらず、徐々にユーザーに飽きが出てきたのか?ということも推測できます。
10代の若いユーザーが主体のサイトなので、このままいけばこの層はあっという間に開拓し尽くしてしまい、成長の限界は意外と早く来そうです。

20代以上のユーザーをいかにつかまえるか。

サイトの雰囲気が雰囲気だけに、これはことのほか苦戦するかもしれませんね。

これまで順風満帆できたモバゲータウンですが、ここを超えるのが最初の大きな試練となりそうです。

2006年11月 8日

携帯関連のニュース盛りだくさん

なんか今日は携帯関連のニュースが盛りだくさんでしたね。
全部を抑えることは無理なので、かいつまんで紹介していきます。

MNPでドコモがシェアダウン、ソフトバンクが3%アップ--GfK調べ(CNet)

最終的にMNPの前(10月1日~23日)と後(10月24日~11月5日)の端末販売シェアを比較すると、ドコモが51%から47%で4%減、auが34%から35%で1%アップ、ソフトバンクが15%から18%で3%アップという結果となった。
この調査ではソフトバンクがかなり善戦しているようです。
ちょっと前の記事では、
「スタート後6日たった29日現在の加入者の移動状況は、KDDIの「au」が約8万件増加する一方、NTTドコモは約6万、ソフトバンクモバイルは約2万の加入減となり、auの一人勝ちとなった」
と出てるんですが、なんか随分内容が異なりますね。
調査したサンプルの違いでしょうか?


MNP開始の10月、auが大幅純増──10月契約者数(IT media)

番号ポータビリティ制度の運用が始まった10月は、auが純増数を35万2700と大きく伸ばした。ちなみに、9月の同社純増数は31万2500で、約4万上積みしたことになる。
毎月恒例の電気通信事業者協会(TCA)の統計ですが、こっちの調査ではauが圧倒的な強さを見せて一人勝ち状態です。前月も好調でしたが、そこからさらに4万件上積みしてます。
auがさらに加速するか、ソフトバンクが通話定額サービスでauに追いせがるか、ドコモが盛り返すか、MNPの効果がフルにあらわれる11月の数字が非常に楽しみです。


ソフトバンク中間、最終黒字に転換(livedoorニュース)

ソフトバンクが8日に発表した2006年9月中間期連結決算で、純損益は144億3900万円の黒字(前年同期は41億8200万円の赤字)だった。8月にSBIホールディングスの全株式を売却したことによる売却益を692億600万円計上したことなどによる。
一方で、ソフトバンクは中間決算も黒字化。株式売却による利益が相当大きいので手放しでは喜べないのが辛いところ。


ケータイSNS「モバゲータウン」が多機能化--日記などへの動画投稿を可能に(CNet)

11月8日から、エイベックスネットワークの音楽配信「ミュゥモ」と連動した音楽配信機能をスタート。11月9日にはDeNAのECサイト「モバコレ」を活用したショッピング機能を追加する。11月中旬には動画投稿機能を追加する予定だ。
相変わらず機能追加のスピードが早いです。これだけの規模のあるサイトとしては驚異的なスピードだと思います。
会員数も11月7日時点で200万人を突破。mixiは200万人突破までに1年9カ月かかってるので、モバゲータウンは半分以下の期間で達成したことになりますね……。おそろしや。


Gmailが国内でもau携帯電話に対応、ドコモとソフトバンクは利用できず(IT media)

2.7GバイトのWebメールサービス「Gmail」が、国内でも携帯電話に対応した。編集部ではau端末のWebブラウザで利用できることを確認した。NTTドコモのiモードブラウザとソフトバンクの標準ブラウザでは利用できなかった。
追記で、「Googleは、モバイルGmailについて「国内端末にはまだ正式対応できていない」ことを明らかにした。」とあるように正式対応ではないようです。
cookieを使っているようなので、ドコモとソフトバンクでは使えるようになるのはまだ当分先かな。

2006年11月 9日

携帯公式コンテンツ事業者の業績が回復してこない

先日、あるモバイルサイトの運営者と話してて、「公式コンテンツ事業者はどこも苦戦してるねー」なんて話題になりました。
去年あたりからなんとはなしにそういう印象はあったのですが、実際のところどうなっているのか気になったので、主要な携帯公式コンテンツ事業者の業績を調べてみました。

調査したのは携帯の公式コンテンツ運営を主要な事業としていて、上場してる以下の9社です。他にも条件に合致する会社があるかもしれないですが、すぐに見つからなかったのでとりあえずこの9社で比較してます。

(株)エムティーアイ (1999年10月1日上場)
(株)サイバードホールディングス(2000年12月21日)
日本エンタープライズ(株) (2001年2月16日上場)
(株)インデックス・ホールディングス(2001年3月29日上場)
ジグノシステムジャパン(株) (2002年3月13日上場)
(株) フォーサイド・ドット・コム (2002年10月10日上場)
(株)ドワンゴ (2003年7月17日上場)
(株)サミーネットワークス (2004年9月1日上場)
(株)ケイブ (2004年12月24日上場)
(Yahoo!ファイナンスの株価情報にリンクしてます)

調査・比較の内容は、各社の直近3期分の売上、営業利益と四季報の今期着地予想です。
各社3月決算だったり、12月決算だったりと、「前期」といっても1年近く決算にずれがある場合もありますが、比較しやすくするためにこのようにしています。

ほんとは、ノイズを少なくするために公式コンテンツ事業だけに絞って収益性の比較をしなければならないのですが、各社決算の発表内容がバラバラだったり、十分に調査の時間を確保できなかったりするので、とりあえず会社全体として比較しています。
まずは全体的な傾向を掴むのが重要、ということで。

で、こちらが比較の表です。

gyouseki_hikaku.GIF

特に注目していただきたいのは売上高営業利益率です。

9社平均で見たとき、2期前に11.9%あった売上高営業利益率が前期は6.4%と半分近くに低下しています。四季報による今期の着地予想では売上高営業利益率は横ばいですが、こういう予想はたいがい下振れしますので、今期はさらに収益性が悪化するといっていいと思います。
変化の激しい業界ではありますが、1年で収益性が半分に悪化するなんて普通はないです。相当に市場環境が厳しくなっていることがわかります。

個別に見ていくと、特に収益性の悪化がわかりやすいのはインデックスでしょうか。
コンテンツ部門の売上は14,539百万円、39,748百万円、63,313百万円と年々大きく伸びているのですが、一方で部門の営業利益率は18.0%、7.1%、1.9%とものの見事に低下しています。

着メロ・着うたサイト「いろメロミックス」を中心に一気に業績を拡大したドワンゴも、今期の中間決算ではついに赤字に転落しています。
サイバードも前期は赤字で、今期の第1四半期も赤字と苦戦してます。
フォーサイドはもっとひどく、前期は100億円近い赤字で、今期中間ではなんと200億円もの赤字を出しています。

一方で、サミーネットワークスと日本エンタープライズは好調を維持しています。

総じて、着メロサイトを中心に事業拡大してきた会社が苦戦しているという印象がありますね。


では、なぜここまで市場環境が悪化し、公式コンテンツ事業者の業績が低迷しているのか。

その理由については次回に。

(第2回の記事をアップしました)
公式コンテンツ事業者の業績低迷の理由を探る

2006年11月10日

公式コンテンツ事業者の業績低迷の理由を探る1

前回「携帯公式コンテンツ事業者の業績が回復してこない」からの続きです。

「なぜここまで携帯公式コンテンツの市場環境が悪化し、事業者の業績が低迷しているのか。」
その理由を探るのが今回のテーマです。

まず最初に、携帯公式コンテンツ事業者の基本的なビジネスモデルと集客方法についてご説明したと思います。

もはやいうまでもないと思いますが、公式コンテンツ事業者は、サイトがiモードやEZ Webなどのキャリアの公式メニューとして登録され、ユーザーにサイトの利用料を課金することによって収益を得ます。

利用料は1ヶ月300円として、10万人ユーザーを集めることができれば、毎月安定して3,000万円の売上をあげることができます。この利用料は携帯キャリアを通じて通話料と一緒に課金されますから、まずとりっぱぐれがなく、利用者さえある程度集めることができれば、運営者にとっては非常においしいビジネスとなります。

利用者集めにしても、サイトがキャリアの公式コンテンツに登録されれば、iメニューやEZポータルなどの集客力が極めて大きいキャリアのポータルサイトに無料で掲載され、そこから確実に一定量の利用登録を見込むことができますので、勝手サイトとして始めることと比べると、圧倒的にスムーズに行うことができます。

特に着メロなどの人気カテゴリでiメニューに登録された場合の集客力はすさまじく、2003年の春頃に会ったある公式コンテンツの運営者は、「携帯サイトはとにかくiモードに登録されることだけ考えればよい。これで少なくとも10万から20万人は利用登録する。」なんてことをいうほどでした。
同時に、auやソフトバンク(当時はvodafone)への対応は後回しでも問題ない、ということも言っていました。
iモードは単にシェアが高いだけでなく、ユーザーのアクティビティも他のキャリアと比べて高い傾向があるので、こういう結論になったのでしょうね。
当時の公式コンテンツ事業者の共通意識として、まず重要なことはiモードの公式コンテンツに登録されること、ということは確実にあったと思います。

iメニュー内での掲載順位が上になればさらに集客力が増しますので、公式コンテンツに登録された後は、事業者はユニークユーザー集めにまい進することになります。(iメニューの掲載順位はサイトの毎月のユニークユーザー数で決まります。auやソフトバンクもドコモほどシンプルではないですが、基本的には同じだったはずです。)
掲載順位が上がれば上がるほど集客力は大きくなり、プロモーション費用が少なくても掲載順位を維持できるという好循環が生まれます。

こうなるともう、文字通りのウハウハ状態です。
ものすごい勢いで300円が積みあがっていきます。

従って、公式コンテンツ事業者のやるべきことは非常にシンプルで、

1.iメニューに登録されるレベルのサイトを作る
2.プロモーションしてユニークユーザーを集める

とまあ、基本的にはこの2つのことだけを考えて実行していけばいいわけです。


もっとも、この理屈が通用したのはせいぜい1、2年前までの話で、これが通用しなくなったからこそ、公式コンテンツ事業者の収益が悪化したのですが、書いてる時間がなくなったしたので、その理由についてはまた次回に。

(第3回の記事をアップしました)
公式コンテンツ事業者の業績低迷の理由を探る2

2006年11月13日

楽天+ドコモの携帯オークションがようやくキタ!

2005年10月にドコモと楽天が提携して共同で携帯オークション事業を行うことを発表してからはや1年、ようやくそのサイトの全貌が見えてきました。

楽天とドコモ、iモード版オークションを11月20日スタート (ケータイWatch)
楽天とドコモ、新オークションサービスを開始──iモード版は20日から(ITmedia)
オークション連動のiモード向けSNS「オクトモ」――NTTドコモ、楽天(ITmedia)
楽天オークション、新サービス開始 -匿名エスクローとSNSを組み込んだ、ドコモ×楽天のネットオークション-(NTTドコモ報道発表資料)

これまでの携帯オークション、特に業界最大手のモバオク(=auオークション)との差別化要素は、

・個人情報を開示しなくても取引が出来る「楽天あんしん取引」
・オークションと連携する携帯SNS「オクトモ」
・楽天市場の出店店舗もオークションに参加

というあたりでしょうか。

携帯オークションでは、auと提携しているモバオクが有料会員70万人で圧倒的に優位な立場を築いていますが、ここにどう後発の楽天・ドコモのオークションが食い込んでくるか。
モバオクが強いといっても、ドコモでは公式サイトではなく、相対的にドコモでの集客が弱いのでポジション的には楽天・ドコモにも十分逆転の可能性あり、というところでしょうか。

携帯オークションの市場も、
KDDI・DeNA連合軍 VS 楽天・ドコモ連合軍 VS ヤフオク・ソフトバンク連合軍
の3つ巴の戦いという様相で混沌としてきました。

このサイトの中身と戦略の分析はおいおいやるとして、ユーザー同士のコミュニケーションがあるサイトをかたくなに公式化拒否してきたドコモが、オークションだけでなくSNSまでやってきたということにかなり驚いています。

ドコモがSNSを公式化するということですから、今後はドコモのiモード公式サイトにSNSを始めとするコミュニケーション系サイトが認められる、ということですね。
実は楽天・ドコモのオークションが始まった、ということ以上にこのことのインパクトが大きいのではないかと思います。

お堅いドコモも時代の流れには逆らえず、ですね。

【 追記 】
楽天・ドコモのオークションサービスは2部構成だったようで。
楽オクのチャリティオークション、魂を揺さぶるエアギターバトル

なお、今回出演したエアギタリストたちのお宝グッズは、11月20日のiモード版のオープンとともに、チャリティオークションに出品される。注目の商品は、ダイノジのおおちがフィンランドで開催された世界大会で5本折った(?)という伝説のエアギターだ。目には見えないギターのため、会場にはギターのハードケースが置かれているようにしか見えないが、5本折ったうちの3本目(?)が認定書とともに出品されるという。
いきなりドコモ公認のオークション詐欺でしょうか……?w

【 さらに追記 】
「楽オク」はドコモのコンテンツ「最終兵器」

2010年に取扱高4000億円、ユーザー1500万人を目指す。
あれ、ケタを見間違えたかな……?
エスクローというのはかなり仕組みが複雑になるので、情報をたくさん表示できない携帯でどうユーザーに理解させるかがポイントですね。
それにしても、「開始後は、iモード公式の「iメニュー」トップページに楽オクへのリンクを表示し、月間2億ページビュー・2100万ユニークユーザーというiメニューのトラフィックを誘導する。」というのはまあなんと露骨な。

2006年11月14日

公式コンテンツ事業者の業績低迷の理由を探る2

前回「公式コンテンツ事業者の業績低迷の理由を探る」からの続きです。

公式コンテンツ事業者の業績が悪化した理由は一つではなく、複数考えられますので、以下箇条書きで整理していきたいと思います。


■市場の拡大以上に競合サイトが増加

携帯コンテンツの市場規模は2003年度に2,133億円だったものが、2005年には3,150億円と着実に増加しています。(モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果(総務省)

一方、iモードにおいては、2003年3月末に3,000弱だった公式サイトの数は、2005年3月末には6,000件を超えるまでに増加。2006年3月時点では7,000件を超えています。EZ Webは1,877件が3,889件に増加。こちらも2倍強の伸びです。(ソフトバンクはデータが見当たらず)
この間、携帯コンテンツの市場規模は1.5倍にしか拡大していませんので、市場の拡大速度以上に公式サイト数が増え、確実に競争が厳しくなっていることがわかります。
単純計算すると、市場が1.5倍に伸びる一方、競合サイト数が2倍になっているので、期待できる売上はこれまでの75%となってしまいます。

市場が拡大する一方、公式サイトの数が大きく増え、大容量ゲームやコミックなどの新サービスが登場。携帯端末も多機能・高性能化し、パケット通信料定額制サービスの普及や勝手サイトも増加もおきました。これらにより、選択肢が大きく増え、ユーザーの興味が複数のサイトに分散するようになりました。
 具体的な数字を挙げると、例えば同期間に、iモードでは着メロ系サイト(着メロ+画像DL)のアクセス比率が、39%あったものが12%まで大きく低下しています。(市場は1.5倍にしかなっていないのに!)

 iモード単独のARPUは2190円⇒2140円で、ユーザーが携帯コンテンツ利用にかけている金額に大きな変化はないようなので、少ないパイ、拡大しないパイを多数のプレイヤーが奪い合うという構造になっています。

このように公式サイトの数が市場の拡大速度を超えて大幅に増えたことにより、2、3年前と比べ、競争が格段に熾烈になったということが言えます。
iメニューからの集客だけに頼っていては、公式サイトは生き残れない状況になりました。


■サイト運営コスト・コンテンツ制作コストの増加

携帯端末はどんどん多機能・高性能化し、キャリアが提供するサービスの範囲も拡大しています。
具体的にいうと、下記のようなことが挙げられると思います。

・液晶画面の解像度が向上
・音楽再生機能が高性能化
・ハード自体の処理能力が向上
・Webブラウザの高性能化
・iアプリやBREWなどのJavaアプリケーションの登場
・ハードディスクを搭載した機種の登場
・データの通信速度が向上
・パケット通信料定額サービスが普及

これによってなにが起きるかというと、それはサイト運営コスト・コンテンツ制作コストの増加です。

ハードとソフトが高性能化すれば表現力は増しますが、対応するサイト・コンテンツを作る費用もそれに伴って拡大していきます。

例えば、(具体的な数字は載っていないですが)ドワンゴの中期経営計画の資料(11P)には『「着うた」は「着メロ」と比較して圧倒的に原価が高い」とあります。
着うた市場が拡大したとはいえ、1ユーザーから取れる金額はだいたい同じでよりコストの高いほうにユーザーがシフトしてるわけですから、企業としては辛い限りです。

着メロに限らず、これまでは小さな画像とテキストなど最低限の機能で十分成立したサイトが、フラッシュだ動画だJavaアプリだなどと、どんどん機能と表現力を増していかないと競争から脱落する状態になっています。

集客は難しくなったのに、コストは増加。
業績が悪くならないわけがありません。


■集客コストの増加と公式コンテンツ事業者の集客ノウハウ不足

公式コンテンツ事業者は、これまでキャリアポータル頼りの集客でずっときてましたが、公式サイトが大幅に増えたことにより、キャリアポータルだけで十分な集客ができなくなりました。これは驚異的な集客力を誇っていたiメニューも例外ではありません。
これにより、キャリアポータル内での掲載順位アップのためのユニークユーザー集めのプロモーションも効果が薄くなります。

そのため、公式コンテンツ事業者は広告の利用や各種キャンペーンなど、キャリアポータル以外の集客のための手段を確保する必要が出てきますが、これは当然マーケティング費用を大きく膨らませます。

また、公式コンテンツ事業者はずっとキャリアポータルに頼った集客をしてきたため、広告の効率的な利用方法やキャンペーンのノウハウを十分に持っておらず、費用対効果を悪化させます。


公式コンテンツ事業者の全体的な業績悪化の理由としてはだいたいこんなところでしょうか。

こうやってまとめてみると、どれも意外と普通の理由でした。
集客が難しくなってコストが増えれば、必然的に業績は悪くなっていきますよね。

次回の記事では、公式コンテンツ事業が今後どうなっていくのかを予測してみたいと思います。

(第4回の記事をアップしました)
携帯公式コンテンツ市場の行方はどうなる?

2006年11月17日

携帯公式コンテンツ市場の行方はどうなる?

さて、公式コンテンツ市場分析シリーズの最終回は、今後の公式コンテンツ市場の先行きの予測です。

現在携帯の世界で起きている事象と、それによって引き起こされる公式コンテンツ市場への影響を箇条書きでまとめて行きます。

■携帯勝手サイト検索が普及し、勝手サイトにトラフィックがシフトする

ドコモは2006年10月より、iメニュー上で10を超える携帯検索サイトと連携し、勝手サイト検索機能の提供を開始しました。auはGoogleと提携し、同様に勝手サイト検索を開放しています。ソフトバンクもYahoo!モバイルで勝手サイト検索を提供しています。

 1年前はどのキャリアもキャリアポータルから完全に勝手サイトを閉め出していたんですが、時流の変化とは恐ろしいもので、今や3キャリアそろい踏みで勝手サイト検索を可能にしています。

これにより、ユーザー行動の変化が当然起こります。
一般的なユーザーは、これまでは携帯サイトを探すときはまずキャリアポータルのメニューから探していたと思いますが、それが「検索窓に検索ワードを入れる」という行動に徐々にシフトしていきます。
各キャリアポータルの検索機能では、公式サイトを優先的に扱うような仕組みにしていますが、それでもよりユーザーは勝手サイトにアクセスしやすくなり、結果的にトラフィックが勝手サイトに流出するようになると思われます。

モバイル検索エンジンも日進月歩で進化しており、精度が上がり使いやすくなってきています。同時に、公式サイトを超えるクオリティを持った勝手サイトも急速に増えています。

こういった状況を鑑みると、現在以上に全トラフィックに占める公式サイトへのアクセスの割合が増えるということはないのではないでしょうか。

もっとも、だからといって即座に公式サイト全体の市場規模が縮小するかといえば必ずしもそうはならないのかもしれません。
携帯公式コンテンツの市場自体は2002年から2005年にかけて年400億円強のペースで拡大しており、音楽配信やゲーム、電子書籍・コミック等の成長市場もあるので、2006年もまだ同じくらいのペースで成長すると思われます。
辛いのは着メロと着うたですね。着メロ自体はすでに市場規模が縮小に入ってますし、着うたはドコモがナップスターと組んで毎月定額で音楽取り放題のサービスを始めてしまったので、今後は相当競争が辛くなりそうです。

市場全体としてみると、3年後くらいには市場規模の拡大がストップするんではないかと無責任に予想しておきます。

一方、勝手サイトの市場規模は………、相当伸びるでしょうね。
予測がつかないくらい伸びると思います。


■携帯キャリアが公式コンテンツを締め出す?

上で少し書きましたが、ドコモはナップスターと組んで、定額制の音楽配信サービスを始めました。携帯オークションでは楽天と組んでサービスを近々開始する予定です。
auはもっと前からそういったコンテンツでの提携戦略を進めており、携帯オークションとショッピングモールではDeNA、SNSではGREE、検索エンジンではGoogleとそれぞれ提携して、サービスを提供しています。他社との提携ではないですが、「リスモ」というauオリジナルの音楽配信サービスもあります。
ソフトバンクはもちろんYahoo!モバイルですね。

これまで、各キャリアは自社で携帯コンテンツを提供することはなく、プラットフォームとしての働きに徹してきたのですが、すでにそういった方針は捨てたのか、自社自身で(あるいはジョイントベンチャーで)コンテンツを提供する戦略にシフトしていることが見て取れます。

これも公式サイトにとっては不利な方向に働きます。
携帯オークションやSNSはこれまで公式サイトにはなっていなかったのでまだしも、ですが、音楽配信サービスは着うたや着うたフルがすでに何社もサービスを提供してましたから、キャリアのこういった動きは公式コンテンツ事業者にとっては生死に関わる事態です。

もちろんキャリアは公式サイトを締め出す、なんてことは一言もいってませんが、実際には一番おいしい集客経路をおさえてしまってるわけで、これは締め出し以外の何物でもないような気がします。

今後もキャリア自身のコンテンツは増えこそすれ決して減らないわけで、公式コンテンツ事業者は苦しい立場に追い込まれていくと思われます。


■携帯ナンバーポータビリティ(MNP)で公式サイトの解約が増加する

2006年10月末からついに携帯ナンバーポータビリティ(MNP)が始まりました。このシステムでは電話番号こそそのまま引き継いでキャリアを移動できますが、携帯サイトの登録は引き継ぐことができません。
ユーザーが他のキャリアに移動すれば、そこで契約していた公式サイトは自動的に解約されることになります。

公式サイトはこれまで、登録しっぱなしで実際には利用していない「休眠会員」が多く存在することにより、効率的に高い収益を上げてきましたが、そういうおいしいユーザーが徐々に減っていくことを意味します。
寝た子が起きて売上が下がる、という構図です。
別キャリアでもユーザーがまた同じサイトを登録してくれればいいですが、休眠状態だったユーザーですから、律儀に登録しなおしてくれるケースは少ないはずです。

今後、MNPでどれくらいのユーザーがキャリア移動するかはわかりませんが、その数によっては、公式コンテンツ事業者にとって相当頭の痛い問題になる可能性があると思います。


■公式サイトの集客方法はキャリアポータルからモバイルSEM、アフィリエイト広告へシフトする

公式サイトの集客がキャリアポータルに頼れなくなった、ということは前回ご説明したとおりですが、そうなると公式コンテンツ事業者は他の集客手段を確立せざるを得ないことになります。

そこで有力な集客手段となりうるのが、モバイルSEMとアフィリエイト広告です。

主要3キャリアが揃って勝手サイト検索を導入したことはすでに述べましたが、これにより、ユーザーのモバイルインターネットへの入り口はキャリアポータルのメニューから検索サイトへと徐々に移行していく可能性が高いです。
公式サイトは、検索エンジンからの集客を無視し得ないようになります。

したがって、検索エンジン経由でうまく客を自サイトに誘導するために、キーワード連動広告の購入やSEO対策といったSEMが当然必要になってきます。
モバイル検索エンジンでは、PCと比べ一度に表示できる検索結果件数が少ないので、SEM競争はより熾烈になりそうです。
「着メロ」「着うた」のような検索件数が多く、成果に結びつきやすいキーワードは相当価格が高騰するかもしれませんね。

アフィリエイト広告はより直接的な集客方法です。
アフィリエイトは個人や法人が持つサイトにテキストまたはバナー画像の広告をはってもらい、その広告経由で会員登録や商品購入等のアクションがあった場合に成果報酬を支払うというものです。
公式サイトの場合、「会員登録=利用料課金」というように即座に収益を発生させることが可能であるため、アフィリエイト広告は非常に効果的です。通常の広告と違い、成果が発生しない限りはお金を払う必要がないため、広告が無駄打ちになるリスクも抑えられます。

アフィリエイト広告をはるのはほとんどが勝手サイトですが、今後勝手サイトは質・量ともに大きく向上していくことが確実です。
アフィリエイト広告は、公式サイトが規模を追求していくには、使わざるを得ない集客手段になっていくと思います。

モバイルSEMにしろ、アフィリエイトにしろ、キャリアポータルからの集客と違い「有料」であることには違いないので、公式コンテンツ事業者にとっては、その利用は痛し痒しというところですね。

これらの集客手段を利用することにより、会員数は増え売上も上がるかもしれませんが、同時に販促費も増え収益は圧迫されていきます。
とはいえ、使わなければいち早く競争から脱落も確実であり……。
公式コンテンツ事業は、やはり徐々に苦しくなっていくことが避けられません。


■キャリアが課金の仕組みを広く開放する?

モバイル検索エンジンの普及により、「公式サイト」「勝手サイト」という区分や概念も徐々に希薄化していくのは間違いないと思います。

この区分が希薄化すると、キャリアも課金システムを公式サイトだけに開放しておく意味が薄れますので、一定の基準をクリアしたサイトには公式サイトと同様のキャリア課金の仕組みを提供するようになるかもしれません。
キャリアにとっては、コンテンツ課金の収納代行手数料が増えるというメリットもあります。

これは、ある意味では「公式サイト」の概念の拡大であり、ある意味では「公式サイト」という枠組みの撤廃と言えます。

これは希望的観測ではありますが、ぜひキャリアにやってほしいことです。
公式サイトにとっては、さらにライバルが増えてたまらないことだと思いますが……。


どうも公式コンテンツ事業者にとって不利となることばかりを挙げてしまったような気がするのですが、調べても調べてもそういう情報しか出てこないんですよね……。
パケホーダイや高速通信の普及によるコンテンツの利用拡大等の動きもありますが、これは公式サイトにも勝手サイトにも等しく有利に働きます。

公式サイトがこれまで高い収益を維持できたのは、極論すれば「キャリアポータルからの無料の集客」と「キャリア課金が使える」という2つの優位性があったということだけだったので、この2つの理由のうち片方だけでも崩れてしまうと、一気に状況は苦しくなります。
公式サイトはこれまで既得権益に守られてきた存在だったとも言え、権益を守る何かの条件が崩れれば衰えていくのは必然、といえます。

少なくとも私が調べた範囲では、公式コンテンツ事業者は今後ますます苦しくなると言わざるを得ない、という結論になります。

場所を超えてボーダーレスに情報のやり取りを行うインターネットの世界では、「公式」や「勝手」といった区分け自体がそもそも異常であったとも考えられ、それが徐々に本来のインターネットの姿に近づいてきている、ともいえます。

そうなると、今度はキャリア自身が提供しているコンテンツはどうなんだ、という話になりますが、これは大きな論点だと思います。
その是非については改めて論じてみたいと思います。

【追記】
ちょうどいいタイミングでケータイWatchにYahoo!の井上社長のインタビュー記事が載ってました。
ヤフー井上社長、「携帯コンテンツも広告モデルに移行する」(ケータイWatch)

ヤフーの井上雅博社長は、17日に開催された記者懇談会で、携帯電話事業者はこれまでの携帯電話の公式メニューという枠組みを一旦捨て去る必要があると語った。

「今の課金モデルは一旦捨てるしかない。PC-VANとかNIFTY SERVEとか、ああいうサービスはもう無くなったと認識しているが、携帯もそうなるのではないかと思っている。その中で、改めてこういうものには課金できるだろうというものは出てくると思う」

2006年11月20日

【モバゲータウン解説その4】手軽にプレイできるフラッシュゲーム

公式コンテンツビジネスの話に時間をかけすぎて、すっかり間が開いてしまいましたが、モバゲータウンのビジネス分析の続きです。

モバゲータウンには、大きく分けて、フラッシュを利用した手軽なミニゲームと、iアプリを利用した本格的なゲームの2つがある、とは前回ご説明したとおりですが、今回は、フラッシュゲームについてです。


今さらの話なんですが、携帯でフラッシュ、使えるんですよね。
古い機種では対応してませんが、第3世代以降の携帯電話ではどのキャリアもしっかり対応してます。

フラッシュなので、ただアニメーションを動かすだけでなく、サイトのナビゲーションやゲームなどにももちろん使えます。
最近では各キャリアのポータルや有力携帯サイトもフラッシュでナビゲーションしてる部分が多くなりました。

PCでのフラッシュバリバリのサイトは見た目ばかりで使い勝手が悪いものが多いですが、携帯に関しては話は別です。
携帯のようにコンテンツを表示できるスペースが限られたメディアでは、下手に画面をスクロールさせたりページを遷移させたりするよりは、フラッシュでうまく1画面の中に操作をまとめていったほうが使い勝手がよくなることが多いはずです。(SEO的には問題が残りますが)
携帯のフラッシュのナビゲーションは相当研究のしがいがあると思います。


さて、話がいきなり脱線しましたが、モバゲータウンのフラッシュゲームですね。

モバゲータウンが現在提供しているフラッシュゲームは34種類。
ジャンルはほとんどがアクション系のゲームで、パズル系のゲームが数種類あります。

実際にやってもらわないと伝わりづらいとは思いますが、いくつか具体的にゲームの内容を説明したいと思います。

■ガングロギャル男
ギャル男になって海で日焼けするゲームです。太陽に当たっている部分がどんどん日焼けしていくので、カラダがまんべんなく日焼けするように決定ボタンを押してギャル男を回転させます。
きれいに日焼けできるとモテ度が上がって、地元⇒湘南⇒沖縄と日焼け場所が出世していきます。

■街ゴルフ
プレイヤーは街の清掃員になって、空き缶をゴルフクラブで打ってゴミ箱にいれ、街をきれいにしていきます。風向きを見てうまくタイミングを見計らってボタンを押すのがコツ。
床屋に向かって打ち込むと窓ガラスが割れ、さらにしつこく打ち込んでると床屋のオヤジが怒ってなぜかボーナスモードに突入します。
続編の「街ゴルフ2」もあります。

■がけっぷち
雑誌「サイゾー」とコラボレーションで作成されたゲームです。どこかで見たような球団オーナーがV逸した監督の責任を追及するというのがゲームのテーマ。
ゲームでは、オーナーがガケに必死でつかまろうとする監督の手を足で踏み潰そうとするので、タイミングよく決定キーを押してこれを避けていきます。
しばらく足をよけていると、オーナーが足を踏み外してガケから転落します。そうなったら、今度はプレイヤーはオーナーになって、ガケから落ちつつ障害物の岩をよけていきます。岩にぶつかりすぎて体力がなくなったらゲームオーバーです。
シュールすぎる……。

これらのフラッシュゲームはだいたい1週間に1本くらいのペースでリリースされています。

「がけっぷち」を筆頭に、シュール・コミカルなゲームが多いです。もちろんまともなものもありますが。あえてシュール系を増やすことで、口コミ効果を狙っているんでしょうか。

特徴として、これらのゲームはすべて「決定ボタン」(『5』キー)1つしか使わない、ということが挙げられます。
プレイ時間もどれも数十秒から数分でできるもので、ちょっとした空き時間に手軽に楽しむことが出来ます。
携帯電話というのは、数分の短い空き時間にアクセスするメディアという特性を多分に持っていますから、こういうゲームのデザインの仕方は実にうまいと思います。

手軽なミニゲームだからといって、これらのフラッシュゲームが適当な作りかといえばぜんぜんそうではありません。一つ一つのゲームはどれも画面デザインもゲーム性もよく練られており、かなりレベルの高い作りになっています。

各ゲームにはランキング機能もあり、これがSNSでのコミュニケーションの促進に一役買っているというメリットもあります。
ランキングの上位になると、自分のハンドルネームとアバターが掲載されるので、自分のページへの訪問者数が増え、他のユーザーとの繋がりが広がります。
「攻略法教えて」コメントがたくさんきて辟易してしまうユーザーも多いとは思いますが。

じっくりプレイできてユーザー間の対戦もできるJavaアプリゲーム、短時間で手軽にプレイできるフラッシュゲーム、両方それえているのがモバゲータウンの強みですね。
(Javaアプリゲームはドコモだけの提供なので、auとソフトバンクではフラッシュゲームだけです。)


この2回でモバゲータウンのゲームについて解説してきましたが、無料でゲームができるというのは、やはり集客という面では極めて強力です。特に若い人たちに対しては。
無料で好きなだけやれるんだから、招待されても断る理由がありません。
自分の友人を誘うときも、「無料でゲームができるよ!」と理由付けがしやすいですし、モバゲータウンの爆発的なユーザー増加に一番貢献しているのはこれら無料のゲームであると思われます。

ゲームの追加も1週間に1本程度と、コンスタントに追加され、ユーザーが飽きてサイトの利用をやめないような工夫をしています。

今後も、携帯SNSに参入する企業はまだまだ続くと思いますが、一番マネしづらいのがここでしょうね。
ゲームを作るのは、なにせたくさんお金がかかります。自社で作るにしろ、他社に外注するにしろ、です。
さらに、お金があれば面白いゲームが作れるかといえば決してそうではなく、相当なプロデュース力と制作管理能力が求められます。
ゲーム会社でもないネット企業にはなかなか高いハードルです。

本来ネット企業であったDeNAにとってもここは高いハードルだったと思いますが、うまくクリアしました。
クリアできた理由は、豊富な資金力があったということもあるかと思いますが、いい制作会社と組めた、というのが大きいはずです。あとはそれを管理する人材の力、ですね。

そろそろモバゲータウンに追随するゲームを全面に押し出した携帯SNSが出てきてもいい頃だとは思いますが、まだそういう会社が現れないというのはこのあたりに理由があるのだと思います。
このまま10代のユーザーを掘りつくすまでは、モバゲータウンの天下が続くかもしれません。

次回は「アバター」について解説したいと思います。




モバゲータウン解説シリーズ目次

1.「モバゲータウン」という恐ろしいサイト
2.モバゲータウンってどんなサイト?
3.オンライン対戦できるJavaアプリゲーム
4.手軽にプレイできるフラッシュゲーム
5.コミュニケーションを活性化するアバター
6.モバゲータウンの収益源 - まさに現代の錬金術
7.アフィリエイト以外の収益源

2006年11月22日

【モバゲータウン解説その5】 コミュニケーションを活性化するアバター

モバゲータウンのビジネス分析の続きです。

今回は『アバター』についての解説です。

アバターとは、自分の分身として画面上に登場するキャラクターのことですが、モバゲータウンでは、サイトの至るところに自分のアバターが表示されます。

マイページやプロフィールページはもちろんのこと、新着日記のページや友達検索のページ、オンライン対戦ゲームの画面にゲームのランキング画面にもアバターは表示されます。

アバターの表示箇所を増やすことで、ユーザーに「ダサい格好してると恥ずかしい」と思わせ、アバターアイテムの購入の意欲を高めてるわけですね。
個人的には「アバターなんて買わないよ」と思うのですが、ユーザー一覧の画像を見ると、どのユーザーもけっこうしっかり着飾っているので、かなり普及しているのではないかと思われます。

このことが、実はモバゲータウンの収益に直結しています。このあたりのビジネスモデルについては、次回の記事で詳述します。

では、アバター関連の要素を項目ごとに分けて見ていきます。


■ アバターのデザイン

こちらのページでアバターのデザインを見てもらえば一目瞭然だと思いますが、実にかわいいデザインです。
萌え系、とまではいきませんが、かなりマンガ・アニメ的な表現に寄ったデザインです。
女性のアバターとか特にデザインがよくできてて、どの人もとても可愛く見えてしまうのはある意味困りものですね。
女性がモバゲータウンに登録すると、男のユーザーからすぐに大量の「友達希望」メールが送られてくる(らしい)のですが、その原因の一つはこのアバターのデザインにあるかもしれません。
もっとも、Yahoo!のようなリアルなタイプのアバターでは恐らく中高生はついてこなかったと思うので、これは若い人をメインターゲットとして規模を広げていく上ではやはり効果的だったはずです。

しかし、逆に、自分のようなオヤジにはこのデザインはキツいです。
アバターの少ない初期は、どのパーツを選んでも10代にしか見えないアバターになってしまい、ちょっと使うのが恥ずかしかったです。周りで使ってるおっさん達も「アバターがかわい過ぎる……」とか言ってたので、やっぱりそうなんでしょう。
最近はフケ顔やヒゲなどのオヤジ向けアイテムも増えてきてはいますが、基本デザインがやはり若い感じなので、20代後半以降のユーザーにはこのデザインは逆にサイト利用の障壁になっているかもしれません。

アバターのパーツは、顔、髪型、インナー、ボトムス、帽子、アクセサリー、持ち物、ペット、背景などのカテゴリに分かれており、現時点で1000種類を超えるアイテムがあります。これは男性用のアイテムだけの数字なので、女性向けアイテムも含めるとその倍はある、ということになります。


■ アバターの購入

アバターの購入には、「モバゴールド」という仮想通貨を用います。
アバターの価格は50G~200Gくらいのものがほとんどですが、高いものになると1000Gを超えるものもあります。

「タウン」という要素を意識してか、扱うアイテムのカテゴリごとに「ショップ」としてそれぞれ別の名前がついています。
例えば、髪型のショップは『[ヘアカット]barber's』、裏原系アイテムのショップは『[裏原]Avenue.』などです。

アバターの中には、ショップでは買えないものがかなりあります。
それについては、この後の「レアアバター」という項目で説明してますので、そちらをご覧ください。

「モバゴールド」の通貨価値ですが、他のユーザーをモバゲータウンに紹介すると300G、スポンサーサイト登録で50G~500G、広告クリックで2G~5Gくらいとなっています。
モバゴールドの入手手段は、このほかに提携サイトでの商品購入、音楽ダウンロードがあります。
現状、モバゴールドの購入方法は上記の手段に限られており、かなり品薄?感がある状態です。


■ ユーザビリティ

アイテムの選択から、購入、装着までの基本的な画面遷移は以下のようになっています。

・トップページ

  ↓

・アイテムショップ一覧ページ

  ↓ (ショップを選択)

・各ショップの販売アイテム一覧ページ
 
  ↓ (アイテムを選択)

・アバターデザイン確認ページ

  ↓ (買い物かごに入れる)

・買い物かごページ

  ↓ (購入確認ボタンクリック)

・購入確認ページ

  ↓ (購入するボタンクリック)

・購入完了・デザイン変更

これはあくまで基本の流れで、途中でいくらでも分岐していきます。実際使ってもらわないと説明が非常に難しいですね……。
「買い物かご」という仕組みを利用していることからわかる通り、かなりショッピングサイトチックな作りなっています。

アバターの選択から、購入、装着という流れは、PCのサイトであっても、わかりやすく使いやすくするには練りに練ったサイト設計が必要になってくると思いますが、モバゲータウンはこのあたりもかなりよくできています。
初めて使ってみてもそれほど迷うことなくアバターデザインの変更ができるようになっています。

携帯のユーザーは、操作がわからなくなったらヘルプを参照する、なんてマメな行動はまずとらず、わからなくなったらめんどくさくなってそのままサイトの利用を止めてしまうことがほとんどです。そのため、携帯サイトはいかに説明をせずに初見でもサイトをストレスなく利用させるか、ということを念頭においてサイトのデザインを設計することが極めて重要なのですが、それを実践するのには携帯電話と携帯ユーザーの特性を十二分に理解しておかなければなりません。

モバゲータウンのアバター購入・変更フローは、一見何気なく作ってるように見えるかもしれませんが、実はDeNAの持つ携帯サイト構築ノウハウの粋とも言える部分で、携帯サイトのユーザビリティを研究するうえでは非常にいい参考になると思います。

誤解しないでいただきたいのは、モバゲータウンのユーザビリティが理想であり完璧であるということを言いたいわけではなく、まだまだ改善の余地はあるものの(例えば、アイテムのキーワード検索ができないとか細かい条件での絞り込みができないとか)、その意識の置き所や細かい工夫を見てほしい、ということです。


■レアアバターの存在

アバターアイテムの中には、ショップで購入することができないものがいくつもあります。
これらのアイテムは、「友達紹介5人以上」や「ゲームをクリア」、「ガチャガチャで手に入れる」「アイテム合成マシーンで合成」などの特定のイベントを起こさないと手に入らないようになっています。

ガチャガチャというのは、駄菓子屋によくおいてあるアレですね。
利用するには100Gが必要で、アバターアイテムが1つもらえます。何が当たるかはわかりません。

合成マシーン(正確には『合成マッシーン』)は、2つのアイテムを合成して、新しいアイテムを生成する装置です。わかりやすくいうと、女神転生の悪魔合体のようなものです。(余計わかりにくいか)
これも利用には100Gが必要です。

いやー、実にあざとい。

もとい、うまい仕組みですね。

最近はやってないようですが、以前は「アバターコンテスト」を2ヶ月に1度くらい開催し、ユーザーのアバター購入を促進する取り組みをしていました。
ユーザーにアバターで着飾ってコンテストにノミネートしてもらい、それに他のユーザーが投票していくという企画です。

アバターを買わせるにもいろいろ工夫がいります。


この一連のアバターの仕組みというのは、うまい具合に収益に結びついています。
モバゲータウンのビジネスの肝、とも言える部分です。

これについては次回に詳しく説明したいと思います。




モバゲータウン解説シリーズ目次

1.「モバゲータウン」という恐ろしいサイト
2.モバゲータウンってどんなサイト?
3.オンライン対戦できるJavaアプリゲーム
4.手軽にプレイできるフラッシュゲーム
5.コミュニケーションを活性化するアバター
6.モバゲータウンの収益源 - まさに現代の錬金術
7.アフィリエイト以外の収益源

2006年11月27日

恐るべし、IT戦士パワー。

モバゲータウンのビジネス分析の続きを書こうかと思いましたが、先週末にネット界隈で随分とモバゲータウンが話題になっていたみたいなので、その件について。

その引き金になった記事がこれ。

成長速度はmixiの倍・9カ月で200万人 携帯SNS「モバゲータウン」の強さ(ITmedia)

はてなブックマークでは現在までのところ240件のブックマークがついてますね。

モバゲータウン関連のニュース記事は、これまでもITmediaやCNetにはたびたび出てたんですが、どれも20件以下くらいしかブックマークがついてませんでした。

ところがこの記事は一気に200件オーバー。
記事としてもモバゲータウンの概要がわかりやすくまとまっていてよい記事だと思いますが、やっぱりアレですかね。

IT戦士パワー?

モバゲータウンは、開始わずか9ヶ月で会員が200万人を突破した化け物のようなサイトにしては、PCインターネットではほとんど話題になってなかったので、むしろ注目されるのが遅すぎたくらいだと思いますが、この記事がきっかけとなって、PCインターネットの世界でも一気に認知が進みそうです。

IT戦士のモバゲータウンに関する記事の続きも出てるようですので、合わせてこちらもどうぞ。

絵文字も空気も読めません 10代がハマるSNS「モバゲータウン」を28歳(♀)が探検した(ITmedia)

上記の記事にも書いてありますが、普段PCでのインターネット利用がメインの人がモバゲータウンに登録すると、あまりのカルチャーの違いにびっくりしてしまいます。

日記はギャル文字ばかりでまともに読めないし、登録したとたん「友達希望メール」がわんさか来るし(特に若い女性は)、ユーザー同士の絡みはやたらとウェットだし、32,767件もコメントがついてる日記がいくつもあるしで(ホントです)、多くのPCユーザーは絶望的な文化的断絶と居心地の悪さを感じるはずです。

わかりやすく例えるなら、子供同士がわいわい遊んでるところに大人が一人で混じっているような感じですかね。
いたたまれない、というやつです。

しかし、ケータイではやっているサイトというのは、多かれ少なかれこういうカルチャーを持ったサイトばかりです。
ここで「ケータイの世界はわからん。やーめた。」と理解を放棄してしまっては、一生携帯サイトの世界は理解できないわけで。

もちろん、携帯関連のビジネスをするつもりがない人にはそれでもぜんぜん構わないんですが、このブログを読んでる人は何らかの形で携帯ビジネスに関心のある人だと思うので、そういう方はぜひIT戦士並みに使い込んでほしいと思います。

ケータイのカルチャーにどっぷりつからないまでも、その特殊性がある程度は理解できれば、携帯ビジネスの展開の仕方も違ってきます。

モバゲータウンはケータイのカルチャーが凝縮されたサイトなので、実にいい参考になると思います。


え?

アクセスしようとしたら『ご利用の携帯電話には対応しておりません』と出る?

そういう方はまず携帯電話を新しいものに買い換えて、パケット定額サービスに加入してください……。


話はそれからだ!

2006年11月29日

【モバゲータウン解説その6】モバゲータウンの収益源 - まさに現代の錬金術

モバゲータウンのビジネス分析の続きです。

今回はモバゲータウンの収益源について、です。

モバゲータウンには、ユーザーにモバゴールドを消費してもらうための手段としてアバターアイテムがあり、モバゴールドを獲得してもらうための手段として各種のアフィリエイト広告があります。
アバターアイテムを買うにはモバゴールドが必要になり、そのためにモバゴールドを獲得してもらえればもらうほどモバゲータウンの収益となるため、ユーザーにいかにアバターアイテムを買ってもらえるようにするかが、モバゲータウンの収益を左右するということになります。

以下、「ユーザーにモバゴールドを消費してもらう手段」と「ユーザーにモバゴールドを獲得してもらう手段」(≒アフィリエイト広告)に分けてモバゲータウンのビジネスモデルを分析し、収益について説明していきたいと思います。

アフィリエイト広告以外にもモバゲータウンの収益源は存在しますが、それについての解説は次回に譲ります。


【ユーザーにモバゴールドを消費してもらう手段】

モバゲータウンでモバゴールドを消費する場所は、現時点では、アバターアイテム購入に関わる部分に限られています。

モバゲータウンがユーザーにアバターを買ってもらうために用意している仕組みについては、前回の記事を参照してください。

簡単に説明すると、サイトのあらゆるところにアバターを登場させまくり、新しいアイテムとレアアイテムを投入しまくり、ガチャガチャと合成マッシーンで射幸心をあおってユーザーにアバターが欲しくてしょうがなくさせて、モバゴールドを使ってもらう、ということになります。

このようなアバターを核に収益化していくという手法はすでにハンゲームをはじめとしたPCのコミュニティサイトで多く用いられています。
なので、これらのことはモバゲータウンの独創というわけではなく、それほど画期的なことでもありませんが、モバゲータウンは携帯というメディアにうまい具合にそれを導入し、同時に自社が持っているリソースを最大限に活用したというところに成功の理由があります。


【ユーザーにモバゴールドを獲得してもらう手段】

■友達紹介

自分の友達に紹介メールを送って、そのメールに掲載されているアドレス経由でその友達がモバゲータウンに登録すると300Gもらえます。

友達紹介の仕組みにより、ユーザーがユーザーを呼び、ネズミ算式にユーザーが増えていきます。
モバゲータウンが短期間に爆発的にユーザーが増えたのも、この仕組みがあったからです。

これは直接モバゲータウンの収益に結びつくわけではありませんが、収益の源泉となるユーザーの母数を増やすためになくてはならない手段となっています。

PCインターネットをメインに利用されている方は、「ある意味ねずみ講みたいなものじゃないか」と思われるかもしれませんが、携帯サイトの集客方法としては極めてポピュラーな方法で、これがないと携帯の勝手サイトは成り立たないのです。

ただ、モバゴールド欲しさに、自分の友達紹介用URLをよその掲示板にはって回るユーザーがいたりするのが困りもの。
このあたり、モバゲータウンの問題点として稿を改めて書きます。


■スポンサーサイト登録

モバゲータウンに「スポンサーサイト」として掲載されているサイトにユーザー登録すると、20G~400Gくらいもらえます。
スポンサーサイトには公式サイトも勝手サイトもありますが、概して有料である公式サイトに登録したほうがより多くのモバゴールドがもらえるようです。
掲載されているサイトのジャンルは、着メロ・着うたサイト、懸賞・ポイントサイト、占いサイト、ゲームサイトなどです。

無料サイトに登録する分にはユーザーの懐は痛みませんから、ユーザーはガンガン登録すると。
有料サイトでも、どうせ登録するならキャリアの公式ポータルからではなく、モバゲータウンを経由して登録すると。
実際どの程度会員が獲得できるのかはよくわかりませんが、モバゲータウンの売上から計算すると、恐らく1サイトあたり毎月数千から万単位で会員獲得ができているのではないかと思います。
もっとも、ユーザーはモバゴールドが欲しくてサイトに登録するため、解約率も必然的に高くなります。そのため、モバゲータウンには「すぐ解約するとモバゴールドを没収することがあります」という注意書きがあります。
この解約率の高さも考慮した上で、集客効果がどのくらいあるかは気になるところですね。

この広告では、モバゲータウンには成果報酬で1会員獲得あたりいくら、という形で収益が発生します。
モバゲータウンは、2006年の7月から9月の3ヶ月間で約4億円の売上をあげていますが、このスポンサーサイト登録による売上が相当大きいのではないかと思われます。

これだけでもかなりすごい収益になると思いますが、この仕組みの本当の旨味は、原価がほとんど0に近い、ということです。

サイト登録の見返りとしてユーザーに付与するモバゴールドは仮想通貨なので、いくら発行しても運営者のDeNAの懐は痛みません。
モバゴールドで購入するアバターもデザインコスト以外のコストはほとんどかかりません。

さらに、モバゲータウンの運営者であるDeNAは、自社でポケットアフィリエイトという携帯アフィリエイトサービス(ASP)を持っており、広告出稿主を豊富に抱えています。
広告をはっているのはモバゲータウンという自社媒体なので、通常のASPと違いアフィリエイターに成果報酬を支払う必要もなく、広告出稿主からの報酬をまるまるいただけてしまういます。

これがいわゆるポイント還元サイトであれば、ユーザーに現金を還元しなければなりませんし、通常のASPであればアフィリエイターに成果報酬を還元しなければなりません。
どちらも原価率はかなり高くなります。例えば、一般にASPの原価率は70~85%くらいです。
これがモバゲータウンの場合はほぼ0ということになります。

DeNAは、仮想通貨と自社メディアうまいこと使うことによって、モバゲータウンを極めて収益性の高いサービスに仕立て上げています。
ユーザーはガンガン利用するわ、原価は低いわ、でこんなに儲かるサービスも他にないですよね。

DeNAの2007年3月期の中間決算では営業利益率が34.4%になっており、すでにこれはベラボーに高い数字なんですが、モバゲータウンの寄与度が高まるとこれがさらに利益率が高くなる可能性もあります。

鼻血が出そう。


■広告クリック

モバゲータウンのサイト内に表示される広告やメルマガで配信される広告をクリックすると、2G~5Gくらいモバゴールドが手に入ります。
モバゲータウンとしては、おそらく広告出稿主から広告1クリックあたりいくら、という形で収益を得ていると思われます。
「そんなインセンティブ付けていいのか?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、さすがにこれは広告主の承諾は取っていると思います。

iモードの公式サイトでは、iメニューの掲載順位が月間のユニークユーザー数で決まるので、広告が直接成果に結びつかなくても、ユーザーに広告をクリックしてサイトにアクセスしてもらうだけでも十分価値がある、というわけです。
iモードの公式サイトでなくても、とにかく大量にアクセスがほしい、という企業は使うかもしれません。

クリック数とクリック率はすさまじい数字が出てるんでしょうね……。


■音楽配信サイト利用
(これも一種のスポンサーサイト登録ですが項を分けています)

モバゲータウンは、Avexの運営する音楽配信サイト・ミュウモと提携しており、ユーザーはモバゲータウン経由でミュウモに会員登録すると300G、さらにミュウモで音楽をダウンロードすると1曲あたり30Gもらえます。

当然、モバゲータウンにはその成果報酬が発生する、と。

現時点では提携しているサイトはミュウモだけですが、さらに提携サイトを増やす余地もあり、音楽配信だけでなく、ゲームやコミックなどのジャンルに展開していくこともできます。
これって、下手するとキャリアポータル並み(あるいはそれ以上?)の集客力を持った仕組みになる可能性がありますね。


■ショッピングサイト利用
(これも一種のスポンサーサイト登録ですが項を分けています)

DeNAと千趣会が共同出資して設立した株式会社モバコレという会社が運営する携帯ショッピングサイト『モバコレ』で買い物すると、購入額10円ごとに1Gもらえます。
これはアバターアイテムの購入ではなく、ホンモノの商品の購入です。

これもモバゲータウンに成果報酬が発生する、と。
モバコレはDeNAの連結子会社ですから、売れればそのままDeNAの連結収益に貢献します。

モバゲータウン経由でどれくらい売れいているのかは現時点ではよくわかりませんが、おいおいDeNAの決算説明資料などで明らかになると思われます。

ちなみに、実際に売れているかはともかく、モバコレへの集客だけは相当な規模になっているはずです。
なにせ、これまでiモードのファッション/コスメカテゴリで長らく掲載順位一位の座を死守してきたゼイヴェルの「girls shopping」を蹴落としてモバコレが1位になっているくらいですから……。
モバコレはできて1年も経たないサイトですし、iモードの公式サイトになったのはさらに最近の話だと思うのですが、あっさりとgirls shoppingを逆転ですか。
私も以前携帯のショッピングサイトの運営に携わっていたので、girls shoppingがどれだけ強いサイトであるかはイヤというほど思いしらされましたが、それを思うと少しさびしい気さえします……。
(参考:ゼイヴェルの「ガールズショッピング」がiモードの公式サイトで10月3位に転落

このショッピングサイトとの連携もまた展開の範囲が大きいビジネスモデルです。
DeNAにはポケットビッダーズという携帯ショッピングモールもありますので、まずこれとモバゲータウンを繋ぐということが考えられます。
これも繋いだらあっさりと、iモードのショッピングモールカテ1位の楽天市場を蹴落としてしまうかもしれませんね……。

なんといいますか、DeNAはモバゲータウン一つで携帯サイトを成功させる方程式を完成させてしまったような……。
半分反則のような気がしないでもないですが。


ブログやSNS等のコミュニティ系のサービスは収益化しづらい、というのはPCインターネットの世界では半ば常識となっています。
収益化の手段が基本的に広告のみに限られており、その広告もユーザー間コミュニケーションがメインであるために効果がイマイチで売れにくい、というのがその大きな理由です。

モバゲータウンもコミュニティ系のサービスではあり、単にゲーム+SNSでサービス展開していてはその呪縛から逃れることはできなかったと思います。
しかし、ここまで説明してきたように、コミュニケーションの中にアバターという仕組みを導入し、さらにサイトの特性と自社の既存リソースを最大限に活用することによって、収益の柱を非常にうまく(うますぎるくらいに)作っています。

携帯サイトのマーケティングやビジネスモデルを考えていくうえで、モバゲータウン以上に参考になるサイトというのはなかなかないと思います。


次回も引き続きモバゲータウンの収益源について、です。
アフィリエイト広告以外の収益源について考えてみたいと思います。




モバゲータウン解説シリーズ目次

1.「モバゲータウン」という恐ろしいサイト
2.モバゲータウンってどんなサイト?
3.オンライン対戦できるJavaアプリゲーム
4.手軽にプレイできるフラッシュゲーム
5.コミュニケーションを活性化するアバター
6.モバゲータウンの収益源 - まさに現代の錬金術
7.アフィリエイト以外の収益源

2006年11月30日

iモード公式サイトにmixiやモバゲータウンが登録される?

昨日、調べ物でドコモの『作ろうiモードコンテンツ』を見ていたら、思わぬ発見をしました。

iモードメニュー掲載基準

見ての通り、iモード公式サイトの掲載基準なんですが、どうもつい最近内容が変わったようなんです。
注目していただきたいのは
「コンテンツ掲載基準2:その他の要件」のところです。

コンテンツ掲載基準2:その他の要件

■iモードユーザーが安心して利用できるサービスであること

・iモードメニューの外のサイト/コンテンツなどへの誘導を主目的としていないこと

・コンテンツが商取引の要素を含む場合は、以下の規定を充足していること

 ・コンテンツプロバイダーに、同種または類似の取引業務の実績があること

 ・個人間の取引の場を提供する場合は、ユーザトラブルを防止するための適切な運営体制等があること

 <具体例>
 ・パソコンで見るインターネットのホームページ上での商取引・決済の仕組を提供している実績がある

・取引対象、取引方法などにつき、サイト上でiモードユーザーが理解できるよう十分な説明がなされていること

・コンテンツプロバイダーがiモードユーザーその他の第三者からの問い合わせに対して責任をもって適切に対応すること

 <具体例>
 ・iモードユーザーからの問い合わせに対応する為のコールセンターが設置されている

・コンテンツがコミュニティの要素を含む場合は、以下の規定を充足していること

 ・チャット・掲示板等、コンテンツのサービス利用者間でのコミュニティの形成を目的とするサービスについては、個人のプライバシーの保護に特に配慮し、他のメンバーに対する中傷を避け、トラブルが発生しないよう、適切に運営すること

 <具体例>
 ・掲示板に入力する際、電話番号、住所等が入力できないようなシステム上の仕組がある


このそれほど長くもない文章の中に、非常に重要な内容がたくさん含まれているのですが、お分かりになりますでしょうか?

これまでのドコモでは考えられなかったような画期的な内容です。


・iモードメニューの外のサイト/コンテンツなどへの誘導を主目的としていないこと

この文章は明らかに、「外部誘導が主目的でなければ外部リンクもOK」と読めます。
これまで、iモードの公式サイトは、公式サイト以外のサイトへのリンクが禁止されていました。もちろんサイト内に広告も自由にはれません。(PCインターネットの世界を考えると、これ自体が驚くべきことですが)

これってつまりは、iモードが外部リンクを原則として自由化した、ということですよね。
「主目的」にならない限りは、広告をはってもいいし、外部リンクをするのもOK、であると。

iモードサイト以外の広告をはれる・売れるというのは、集客に苦しむ公式サイトにとっては相当大きな福音になるはずです。
サイト運営の自由度も上がるので、ユーザーにより価値の高いサービスも提供できるようにもなります。

その他の面では、広告代理店の活動範囲が大きく広がり、携帯広告市場の拡大が促進されたり、iモードサイトと勝手サイトの機能的な連携が進むなど、大きな波及効果がありそうです。


・個人間の取引の場を提供する場合は、ユーザトラブルを防止するための適切な運営体制等があること

これも、「iモードでの個人間取引、OK」と読めます。
そもそもiモードはオークションのような「個人間取引」自体を禁止していたので、大きな方針転換です。
モバオクガルオクのような既存の携帯オークションサイトはそんなに遠くない未来に公式サイト登録されるかもしれません。ヤフオクの携帯版も恐らく。

さらに注目なのは、
・コンテンツがコミュニティの要素を含む場合は、以下の規定を充足していること
 ・チャット・掲示板等、コンテンツのサービス利用者間でのコミュニティの形成を目的とするサービスについては、個人のプライバシーの保護に特に配慮し、他のメンバーに対する中傷を避け、トラブルが発生しないよう、適切に運営すること

の部分。

コミュニティサイトもOKということですね。
対策さえちゃんととっていれば、mixiもGREEもモバゲータウンも公式サイトに登録されると言うことです。もちろんその他のコミュニティ系サイトも、です。

iモードはこれまでユーザー間コミュニケーションの発生するサービスは一切禁止していましたので、これもまた大き方針転換です。

現実問題、「対策とっていればOK」とはいえ、ドコモは相当高いレベルでの対策を求めてくるはずなので、公式サイトに採用されるのはかなり難しいと思われます。オクトモの対策レベルというのが一つの有効な基準になりますね。

既存の公式サイトについても、対策をとっている限りはユーザー間コミュニケーション解禁、ということなので、公式サイトのSNS化が進む可能性も大きいです。

うちの会社も携帯サイトをやるときはぜひiモードの公式サイト化を目指してみよう。


この掲載基準になる前のバージョンの掲載基準を持っていないので、実はここに挙げた内容が直近で変更されたものなのかどうか、確認ができていないのですが(だれか以前のバージョンを持っている方がいたらください)、このドキュメントの基準日は「2006年11月20日現在」となっているため、11月20日になんらかの掲載基準の変更があったことは確かです。

そして、この11月20日というのはドコモがiモードで個人間オークションの楽オクと携帯SNSのオクトモをスタートさせた日と重なります。
つまりは、この2サイトのリリースに合わせ、ドコモは掲載基準の見直しを行った、と考えられるわけですね。

さすがにこの推測だけでは無責任なので、自分もさらに調べを進めてみたいと思います。

あと気になるのは、ドコモ側の実際の運用がどうなっているかということです。

ここまで述べてきた話は、あくまで、
「ここに明示されているiモードの掲載基準からいくとそうなるよね」
と言うの話なので、実際の運用基準がこれと乖離している可能性はあります。

これも合わせて調べてみたいと思います。


それにしても、ドコモはプレスリリースもなく、サイトでの告知もなく、しれっと掲載基準を変更しましたよね……。
ドコモさんも人が悪いなあ。

このブログのメニュー

■携帯サイトに関する話題


■急成長中の携帯SNS・モバゲータウンを解説


■注目の携帯サイト(リンク集)


newsing(ニューシング)

株式会社マイネット・ジャパン

プロフィール

    橋詰 大造
    (株)マイネット・ジャパン取締役
    (株)ディー・エヌ・エーで携帯ショッピングモール『ポケットビッダーズ』の運営とモバイル関連事業の立ち上げに携わる。
    2006年7月、(株)マイネット・ジャパンに立ち上げメンバーとして参画。

    スパム対策のため画像化しています。お手数ですが直接ご入力ください。

About 2006年11月

2006年11月にブログ「モバイル魂 - 携帯業界のニュース・マーケティング研究ブログ」に投稿されたすべてのエントリです。新しい順に並んでいます。

前のアーカイブは2006年10月です。

次のアーカイブは2006年12月です。

Powered by Movable Type